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2017 年2月開催
「山に優しい壊れ ない作業路開設勉強会」 :2月25日(土)8時半〜15時半頃
シリーズ1回目:次年度3〜 4回の予定で作業路を作る各パートの技術を順に学びます。初回は理論と路網設計の要です。 

☆☆ 自分で作業をしない人でも知っていると山の事がよく解る様になります ☆☆

 2 月18日19日は、「災害に強い森林づくり勉強会」を雲南市内で開催ですが、続いて自伐型林業的作業路開設の勉強会です。

 島根県西部では7〜8年以上前から、大橋慶三郎先生を師事する森林組合の作業道開設オペレータが壊れない路づくりを行って来ました。事業体が作る 作業道としては秀逸ですが、大型車が通るための7tバックホウで開設する作業道は個人林家の指針にはなりません。

 3年前に徳島の橋本先生ご夫妻に津和野に来て頂き作業路開設講習を行って以来、県下各地で橋本先生の講習が行われています。そして津和野町の地域 おこし協力隊の作業路開設技術者育成には吉野の岡橋先生が来られています。




 其の成果もあり一般市民の方々の、壊れない作業道づくりへの関心が高まりつつあります。雲南市でも個人で3t程度のミニバックホウを個人で所有し 路づくりを行っている市民も居られる現在、土木的作業路づくりではなく山を壊さない作業路開設の勉強会を開催することになりました。
 雲南市役所主催、合同会社グリーンパワーうんなん共催にて開催致します。


「作業路開設勉強会が何故必要か?」知らない と・・・
 一般市民が森林バイオマス資源を活用するには、山から重たい木を搬出するための小規模な手法が幾つか有ります。
・動力としてエンジンウィンチを使用して、材を曳き出すもの:雲南市及び島根県下では、女性でも持てるポータブルなエンジンウィンチでロープ(100〜 200m)を使って搬出を行う講習が各地で開催されています。
・林内作業車というタイプのクローラーで走行出来る運搬車には、ワイヤーを巻き取るウィンチ(80〜120m)が搭載されているので、山から木を曳き出し て積込んで作業路を使って搬出ができます。
・樹上に軽架線を張って、上記の二つのウィンチなどを使用して障害物の影響を少なく搬出効率を上げる方法もあります。
・小型のバックホウを使用して林内から材を曳き出す方法もあります。上記の方法でも同様ですが、路があれば軽トラ、2t車で材を運び出せます。
・以上の方法をケースバイケースで使い分けながら行い、林道奥の仮土場までグラップル付きの大型車に取りに来てもらう方法もあります。
 ※何れの方法もアンカーを採るためやバックアップを採るためのしっかりとした立木が必要です


 以上の様な方法で日本各地の山持ちの人や移住者の若い人達が森林資源活用、森林整備に取り組むケースが増えて来ました。しかしながら多くの山主さん達は 自分たちで施業を行わずに事業体に任せっきりの場合が多く見受けられます。

 そもそも、今の山主さんの中には先代から名義は引き継いだものの山に入ったことも無い人達が多く、山の事を知らない素人山主が増えていること自体 が様々な問題をひき起す原因となっている様です。

 定年退職したある山主さんが、さあ此れから山を活用しようとす事業体に路づくりを依頼しました。その結果が下の写真です。

「ある素人山主さんが 遭った目」

 
 さて、皆さんはどう思うでしょうか? 路肩には立木も切り株もありません。そして谷側には伐られた木が無惨に散らかっています。それも伐り易い様に下方 に適当に伐っただけです。
 此の様に道脇にアンカーとなる立木(上部の法面の上にも無い)が無いと、島根で多いPCウィンチを使っての搬出や、林内作業車を使っての搬出が出来なくなり山主さんが伐った材を曳き出すことさえ不可能にしてしまいます。
 

 それよりも先ず路肩に土留めとなる斜面保持力のある大きな立木がなければ早晩路網は崩壊します。切り株は5、6年もすれば腐って斜面保持力は無くなりますが、そ の間に下層植生が繁茂して表土を少しでも抑えて雨の流れに耐える様になってくれれば未だましですが、其れさえも考えてありません。土木業者ではなく林業事業体であってもこの様な素人仕事をするところがあるのです。

 また、林地の木の伐採の方法についてですが、斜面に平行に横倒しして、立木に2点以上掛かっていれば土留めにもなります。右画像の様に林地を整理します。そうすれば林内に入った人達の事故も減るでしょう。

 ただ、チェンソーマンの腕が悪いと此れは難しい作業にな りますし手間もかかります。林業技術者としてのプライドがなければ何も考えずに、上の画像の様な楽な重心方向に下から順に伐り倒すだけになります。これは、素人に毛が生えた程度の技術でも出来る作業で す。

 だからプロとか言っていても技術的に低い人達は沢山居ます。慣れているから勢いが良いだけです。そして事故ります。難しい仕事が出来る人達との格差がありますし、班や事業体の姿勢によって影響されますので、仕事の結果は一律の質にはならないのでしょう。

 その点、自伐型は自分の姿勢次第です。昔は山主さんが自ら整備を行っていましたから山が奇麗でした。多くの方のご感想です。

 そして、既に崩壊の兆候が現れていて前述の山主さんは、「壊れたら直してくれるのだろうか?」、と不安顔でした。此の様に、山を知らない山主さんが事業体に 任せっきりでいると、資産が無駄になるだけでなく豪雨のせいにされて山がどんどん壊れて行くことになります。

 つまり世の中一般にも言えることですが、消費者が賢くならないと身体に良くない商品や自然破壊に加担する商品が蔓延るのと同じ原理です。良くないものは 消費者が買わない。日本の良い文化や伝統、豊かで安定した自然環境を残そうとするならば市民が賢くなることが第一でしょう。

「生命力が無くなった 山、生きている山」
   
 左側の写真は、30〜50年程度で伐期を迎えた人工林を皆伐(全伐)している山です。此方も、路肩には何も残っていません。大型の重機が入るための路網 が作られています。此の後、多分再造林のための植林がされるのでしょう(場合によっては資金が無くて放置される場合もあります)。
 こういった林業の方法を「短伐期施業」、と言います。短いサイクルで木を伐って植えて育てて、また伐るという手法です。

 さて、右の二枚の山は如何でしょうか?両方とも2tの4WDのトラックが通れる作業路が付いています。此方は「長伐期施業」の山です。事業体に委 託せずに自分たち家族で管理して育てて伐出している山です。

 つまり、間伐して(間引いて)必要分だけ木を出して売ることで成り立っている林業です。こう 言った山は、鳥や獣達の住処になり、その排泄物が微生物循環によって植物の栄養になります。つまり多くの生命を養うバッファゾーンとなります。
 このバッファゾーンがあるからこそ、大雨を一時的に保水して集落や街を洪水から守ります。またこの栄養素の多いところから流れ出した水が田畑に流れて行って滋養のある美味しい作物になるわけです。

 上右二枚の画像の場所は、高性能林業機械などの高価な重機などにお金を掛けずに、3t程度のバックホウと2tの4WDのトラックだけで奥さんと二人で40年以上掛けて作った山です(息子さんが14年程前より合流)。此方 は何度も豪雨に遭っていますが崩れません。大雨に対するウィークポイントを作らずに広く分散して流す方法があるのです。

 例え自分たちで山に入って作業が出来なくても、今の世の中で少しでも良い方向にと活動している人達の活動や、山への取組みでさらに進歩した方法論を知っていれば、違った山の活用や整備手法が見つかるかも知れません。
 今では 若い人達の農山村への還流が起こっています。価値観が変わり時代が転換期を迎えているのです。今回の勉強会には、2年前に都会から移住して路づくりを習った若者たちを迎え、其の成果を分かち合って もらいます。

 雲南市では市民の方々で森林バイオマス資源を活用することが活性化するように集落営林のための方法を探り、またグループ化して取り組む団体への様々な補 助を行っています。

 この機会に何か違った方法が見つけられるかも知れません。奮ってご参加下さい。

「参加申込み」下 記チラシをご参照。雲南市民の方で興味の有る方、森林バイオマス資源活用の登録者の方。参加費は無料。申込みはグリーンパワーうんなんの担当者 『内田まで』電話:0854−49ー8755 


【勉 強会チラシ】

画像をク リックして頂くとPDF形式の書類が開きます


此方は『災害に強い森林づくり勉強会』の告知の際に掲載したもの


 此方は放置林とは逆に利用のために皆伐した山。右側の画像では山の奥が皆伐されて高性 能林業機械を運び、運材を行うための大型トラックに対応する大規模な作業道がハッキリと解る。こういった作業道は雨による浸食崩壊の原因となり、山が荒れ る原因となっている。

 この山の脇の田圃では水が出なくなったために稲作に障害が起きている。つまり皆伐して禿げた山は、土壌の保水力が無くなり雨を土壌に染み込ませずに短時 間に下流域に流してしまうためである。
 また、切り株は5、6年も経てば腐って表土の保持力が無くなるために、全ての木を伐って大きな根が張った木が無くなってしまうと、急斜面の場合には崩壊 の原因にもなる。再造林のための幼樹では斜面保持力は無い(皆伐による短伐期施業)ので、低いところの太い木は残しておくことが賢明と言われる。

 以前は山主自身が山に入って整備と利用を行っていた(間伐による長伐期施業)ために大規模な伐採が無かったが、近年は山主自身が山の事を知らない(不在 山主)ことが増えて素人化したので、保全が行き届かなくなっている。

 山の在り方は、田畑に影響するだけでなく隣接する集落の安全、そして下流域の街の生活までにも影響する事が解っている今、もう一度災害に強い森林づくり について勉強し直すことが必要でしょう。

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